すべては一つの疑問から始まる

2021年4月、私たちはひとつの純粋な疑問から歩みを始めました。

長年培ってきた職人の技術で作る「私たちが心から最高だと思うシフォンケーキ」は、果たして世の中の多くの人にも本当においしいと感じてもらえるのだろうか。そして「冷凍スイーツは手軽で安価だが美味しくない」という世間の固定観念を、私たちの技術で覆すことはできないだろうか。

その答えを求める旅が、ここから始まったのです。

 

長い年月と職人の魂が紡いだシフォンケーキ

30年という年月をかけ、シフォンケーキを焼き続ける中で私たちが追い求めたのは、圧倒的な生地の「しっとりふわふわ」感でした。

その理想を実現するために、私たちは生地と真摯に向き合い続けました。日々変わる気温や湿度といった環境の変化にまで気を配りながら、数え切れないほどの試作を重ねる日々。そしてついに、「これだ」と心から思える理想の生地が焼き上がったのです。

次に、その繊細な生地を包み込むクリームに求めたのは、口の中でほどけるような「優しさ」でした。厳選した材料で練り上げたクリームは、配合を1％単位で微調整しながら、最も生地に合う甘味・口どけ・質感を追求するため、何十パターンもの試作とテイスティングを繰り返しました。

完成したクリームは、素材本来の美味しさをしっかりと伝えながらも理想の生地と絶妙に調和し、口に入れた瞬間、ほどけるようにスッと溶けていきます。

 

こうして生まれた「私たちの想う最高のシフォンケーキ」。生地とクリームというシンプルな構成だからこそ、一切の妥協を許さずに作り上げたこの逸品を、This is CHIFFON CAKE. ブランドとして多くの方に『おいしいフリーズ体験』をお届けしてまいりました。

 

偶然の出会いが生んだカッサータへの挑戦

シフォンケーキで培った技術と経験に確かな手応えを感じた私たちは、新たな課題と向き合うことになりました。それは、うだるような暑さが続く日本の夏の時期に、シフォンケーキを選んでいただく機会が減ってしまうという現実でした。

「この暑さを乗り切るためのスイーツをお届けしたい」――そんな想いを抱いていた時、運命的な出会いとなったのが、当時注目されていたイタリアの伝統菓子カッサータでした。「このスイーツを日本人の味覚に合うように、そして日本の夏にぴったりの涼しさを届けるスイーツに仕上げることはできないだろうか」――5人の異なるバックグラウンドを持つパティシエたちが開発チームに集い、これまで培ってきた知識と経験を結集させ、ジャパニーズカッサータへの新たな挑戦が始まりました。

厳選を重ねて選び抜いたのは、国産のクリームチーズと生クリーム。本来のカッサータはリコッタチーズを使いあっさりしているのが特徴の一つですが、私たちが何より大切にしたのは温度の変化による味わいの移り変わりでした。

濃厚な旨味のチーズとクリームを使うことで、冷凍・半解凍・全解凍それぞれの温度帯で異なる美味しさを楽しんでいただけるカッサータのベースが完成しました。ナッツやフルーツのトッピングの散りばめ方にもこだわり、宝石のように美しく配置することで、切り口が毎回変化する The CASSATA.が誕生したのです。

『好きな時に、好きなだけ、好きなように楽しめる。カラフルなフリーズ体験』を、たくさんの方にお届けしてまいりました。そして、カッサータをもっと手軽に楽しめるスイーツとして多くの方に知ってもらいたいという想いから、This is CASSATA. としてブランドを独立。後に代表作「CASSATA Sand」シリーズを生み出し、カッサータの新たな可能性を追求し続けてきました。